平成26年に閣議決定された「子どもの貧困対策に関する大綱について」に「子どもの将来が生まれ育った環境に左右されず、また、貧困が世代を超えて連鎖することがないように必要な環境整備と教育の機会の均等化を図る」と明記されており、児童養護施設においても進学意欲のある子どもたちを支援していくよう努めているところです。その甲斐あって少しずつですが行政、教育機関、民間団体などの協力も広がり、少しずつではありますが高等学校卒業後の専門教育を受ける機会を持てるようになってきました。静岡県においても独自の施策に取り組んで子どもたちを支援してもらえるようになりました。しかし、現在なお一般家庭と比べると大学等の進学率は低く、その最大の要因として経済的基盤の脆弱さがあげられます。奨学金や減免制度を活用しても条件的にはやはり厳しく、進学を断念する子どもたちもいます。そうした状況下ではありますが、ひまわり園では高等学校を卒業した女子2名が短大に進学することになりました。それぞれアルバイトで貯めた預金や奨学金などで何とか進学の目途が立ったところですが、4月から始まる新生活はギリギリの生活になることは確実です。
そんな中、富士健康福祉センターの吉野所長さんが新聞投稿で施設入所児童の進学支援を呼びかけてくださいました。そして、その記事をお読みになった一般市民の方が、富士圏域の「児童養護施設から進学する子どもたちのために」と寄附を申し出てくださり、ひまわり園から進学する子どもたちにも匿名で5万円のご寄付をしてくださいました。様々な家庭事情で親子分離を強いられた子どもたちにとって、こうしたご支援は大きな力になります。
ご協力くださった皆様の応援を糧にこれからの学生生活を頑張ってほしいと願います。