隣人愛
「心をつくし、精神をつくし、思いをつくし、力をつくして主なるあなたの
神を愛しなさい。そして自分を愛するようにあなたの隣人を愛しなさい」
(ルカによる福音書第10章27節)
クリスマス そして、新年おめでとうございます。
令和という元号になり初めてのクリスマス、そして新しい年を迎える事ができました。
心から「おめでとう」とお祝いの言葉を述べさせていただきます。
喜ばしい季節を迎えますが、巷では、連日のように児童虐待や心中等の悲惨な報道が続いており、人が一番安心できなければならない「家庭」での子どもやお年寄りを取り巻く環境が大きく変わってきています。また、インターネットの普及から、簡単に様々な情報が入手できる便利な時代になりましたが、反面、個人の情報が簡単に流出し、顔や名前を出さないで他人の中傷や批判をする人が増えるなど、ここでも事件に巻き込まれる子どもやお年寄りが増えています。不安が尽きない時代になってきました。
このような世の中にこそ、先達が継承してきた、創立理念のキリスト教による「隣人愛」の精神をしっかりと理解して、より多くの人達に広めて行く必要があると思います。なぜなら「隣人」とは全ての人のことを指し、敵対する相手も同様に含まれます。
隣人愛は、「神の愛」や、見返りを求めない「無償の愛」といわれており、誰にでも同じように降り注ぐ「太陽の光」に例えられたりします。イエスキリストはご自身が処刑される時に、刑を執行する兵士に「神様この人達をお赦しください」と祈られたと伝えられており、それが究極の隣人愛といわれています。特に人を批判したり、中傷したりすることが蔓延している状況の中ではイエスキリストがお示しになった、「赦す」気持ちを誰もが持てるように、一人でも多くの人に広げていくことが大切だと思います。
私達は創立理念の「隣人愛」を踏襲し、地域の方々のご支援やご協力を得て、児童福祉事業や介護保険事業を基本とする社会福祉事業や、富士市のショートステイ事業の受託や、赤ちゃん110番等の地域貢献事業を展開してきました。昨年より、地域の有志の方と実行委員会を立ち上げて「買い物送迎プロジェクト」という高齢者対象の買い物支援事業を開始しました。現在では今泉の3地区で月2回の送迎事業を定期的に実施しており、本年は実施地区の拡大を検討しています。
また、当法人内では企業支援型小規模保育所を3月までに設置し、法人内で働く職員の就業環境の安定が図れるように計画を進めております。「働き方改革」や児童福祉法改正に伴う「新しい社会的養育ビジョン」等、国から示された方針に準じていくためには様々な課題が生じていますが、この隣人愛の精神を基に、少しでも多くの子どもやお年寄りにより良い生活環境を提供するために邁進していく所存ですので、皆様のより一層のご支援やご協力を賜れますようお願い申し上げます。
これから始まる新しい一年が、皆様にとって平和で豊かな良き年となるよう心よりお祈り申し上げます。
社会福祉法人 芙蓉会
理事長 内 藤 好 彦