社会福祉法人 芙蓉会

「富士育児院小観」復刻版発行について

「自分を愛するように隣人を愛しなさい」
「未来ある子どもたちの時代のために」


 社会福祉法人芙蓉会は、この年新たな108周年を迎えました。
これまで発展できたのも創立者渡辺代吉氏の不幸薄命なる児童を救済するため、富士育児院を開設し、子供の養育に一生懸命努力し、未来ある子どもたちに期待し静岡県や富士郡の各町村の皆様に呼び掛け、明治36年に富士育児院を設立、収容した子どもの中に身体障害の子どももおり、日本での障害を持つ子どもの収容施設として初めてであると、東京板橋整肢療護園の初代院長木憲次氏が認めています。
 創立107年になり岡山県立大学の井村教授より、明治43年に出版された「富士育児院小観第三号」の存在を知らされました。次第は当時の慈恵救済事業の発展に公費による助成金が交付され、また文部省より教育勅語御下賜の恩典に浴し、弱小の富士育児院が公的に教育機関同等の存在として認められたことに感銘し富士育児院小観第三号として出版されたと思われます。
この富士育児院小観第三号は出版されて100年を迎え、同志社大学図書館の生江文庫に大切に保管されておりました。内容は創立の経緯、創立以来八年間にわたる運営上の困難克服と地域の皆様のご協力、当時の入所者の事情等を克明に記録したもので、現在の富士市のみならず当時の地域の皆様の福祉に関わる原点として認識できる貴重な資料であると確信し、芙蓉会理事会に計り復刻を承認されました。  尚、この度富士育児院小観第三号を所蔵されている同志社大学当局の御許可を頂いての復刻の運びとなりましたことを心から感謝する次第であります。  復刻第三号の中に富士育児院創立運営に協力いただきました先代の皆様がおわかりでしたらお知らせいただきたいと思います。

社会福祉法人芙蓉会
理事長  戸 巻 芙 美 夫

復刻にあたって
 この度富士育児院小観第三号が所蔵されている同志社大学当局の御許可を頂いて復刻の運びとなったことを心から嬉しく又感謝する次第であります。
 富士育児院小観なるものが明治42年10月に出版されており、関西学院大学教授であられる室田保夫教授により編集された「子どもの人権問題資料集成戦前編第三巻」に収録されていたことを知りました。私ども芙蓉会の前身富士育児院は昭和31年9月に火災に遭い資料の大半を消失しその存在すら知らなかったのであります。その意味で大変ありがたく感謝する次第であります。
 しかしながらつい最近岡山県立大学保健福祉学部の井村圭壯教授殿により明治43年11月に出版された「富士育児院小観第三号」の存在を知らされました。私ども此の1年の時間差でこの様な出版に不思議さを覚え両方の内容を吟味したところ、当時の慈恵救済事業の展開に画期的進展のあった事を理解致しました。それは明治43年3月に公費による補助金が交付されたこと、続いて同5月28日に文部省より教育勅語御下賜の恩典に浴した事であり,、此は一弱小の家族的集団が公的に教育機関同等の存在として認知された事に感銘し三号として再出版に至った事と思推されます。
 此の富士育児院小観第三号は出版されて丁度百年を迎え、同志社大学図書館の生江文庫に大切に保管されておりました。内容は創立の経緯及び創立以来八年間にわたる運営上の困難克服と地域の皆様のご協力と当時の入所者の事情等を克明に総括したもので現富士市のみならず当時の地域の皆様の福祉に関わる原点として認識できる貴重な資料であると確信し、この度復刻を試みました。
 此の復刻実現のご許可を下さいました同志社大学当局は勿論の事、情報を下さいました岡山大学教授井村圭壯博士、事業実現を誠意を以て実施下さる株式会社角川グループホールディングス社長佐藤辰男殿、株式会社角川学芸出版社長山下直久殿、そして様々な労を厭わずご協力下さいます合資会社美影館社長佐藤昌之殿、最後に同志社大学図書館学術情報課の皆様及び労をお取り下さいました大前朝子様、又、復刻の仕事に真摯に取り組み下さった角川学芸出版の城村典子様を初めスタッフ各位、皆々様へ深く感謝申し上げる次第です。
平成23年6月

社会福祉法人芙蓉会
理事  内 藤 順 敬